第104章

彼らが商店街を離れるや否や、その商業ビルは封鎖された。完全武装の警官たちが無数に道を切り開き、その中央では、スタンロッドに繋がれた一人の人間が連行されていく。頭部は金属の網で覆われ、顔立ちは判然としない。

野次馬たちは遠巻きに眺め、何かの暴力事件かと思っていたが、警官たちが現場の整理を始め、撮影も見物も許されなくなったので、予想外の事態だと悟った。

その後、数人の医者と消防隊員が現れ、白い布で覆われた担架を運び出してきた。

「誰か死んだんじゃないか」と、誰かが囁き合う。

救急車に乗せられる際、白い布が風に煽られてめくれ、その下にある腕が露わになった。まるで天日干しされたドライ...

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