第112章

放射能汚染、炭素排出、地球温暖化、パンデミック、戦争の脅威……。

この神に見棄てられた地はとっくに警告を発していたというのに、そのすべてが無視された。

海底一万メートルに、何があるのか?

連合体は再び深海探査機を派遣し、海域の最深部へと調査を進めた――海底に別の文明が存在する可能性を探るために。

しかし、有機生命体は一切探知されなかった。そこは強大な水圧ゆえに、生物が存在しない場所だった。

では、その一万メートルの地点には何があったのか?

監視センターのスタッフはスクリーンを見つめていた。水底に沈んでいるのは、人類の世界では見慣れたものばかりだった。

レジ袋、包装箱、釣り糸、放...

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