第114章

バベルタワー実験基地。

見渡す限りの地下空間は、さながら五臓六腑の揃った小型都市のようだった。

模擬太陽光が空中に吊るされ、すべてを白昼のごとく照らし出している。

数え切れないほどの若い女性たちが控えスペースで緊張した面持ちで待機していた。休憩エリアの向かいには、巨大なオールメタルの実験室がずらりと並んでいる。

隠しスピーカーが突如として起動し、温度のない冷たい電子機械音が広大な地下空間に響き渡った。

「〇三一七番、藤田小林。テストルームへ入室してください」

前列にいた者たちが振り返ると、一人の若い女性が立ち上がった。その顔には緊張と、そして少しばかりの期待が浮かんでいる。彼女は...

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