第117章

リーズビューティーサロンは最近、客足が遠のいていた。従業員の数が客を上回り、しかも最も賑やかな商業区の一等地に店を構えているため、家賃は馬鹿にならない。オーナーの女性は閑散とした店内を眺め、眉をひそめていた。

不意に、ドアがディンドンと音を立て、機械音声が陽気に「いらっしゃいませ」と告げた。

オーナーの目が輝き、数人の店員が血の匂いを嗅ぎつけた吸血鬼のように駆け寄る。だが、彼女たちがメニューを紹介する間もなく、その若い娘はこう尋ねた。「こんにちは。すみません、ここって以前は火鍋屋でしたか?」

オーナーはがっくりと肩を落とした。「いいえ、商業街ができてからずっと、うちはここで美容院をやっ...

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