第15章

「ありがとう」

唐沢優子から心からの感謝の言葉が漏れる。彼女は手を上げ、17号の薄い瞼に残っていた青い血を拭ってやった。

冷たい異色の血の下で、青年のハンサムで彫りの深い顔立ちは、どこか妖しいほどに麗しく見えた。

「助けてくれたのね、17号。あなたのおかげよ」そうでなければ、自分はもう死んでいたかもしれない。

17号はゆっくりと瞬きをする。濡れて束になった睫毛が、柔らかな弧を描いた。

彼女が、自分に感謝している。

なんて優しいんだ。

好きだ……。

喜悦で頭が真っ白になり、何の反応もできずにいた。

「一緒、いい……?」

「いいわ」

唐沢優子が彼の触角に触れると、それらは恥...

ログインして続きを読む