第159章

七月二十一日。

ベラは日記帳に狼狽しながら書き綴った。「お姉ちゃん、お姉ちゃんが……」

唐沢優子はそれを覗き込み、不思議そうに尋ねた。「何を書いているの?」

アルセルはそれでようやく少し意識を取り戻した。

彼女は日記帳を閉じ、仕方なさそうに言う。「精神が空っぽになると、私の身体が自己意識を持っているかのように、この身体の持ち主が生前にしていたことをしてしまうの」

唐沢優子の身体にはそういった現象はない。そばにアセイランがいるからだろう。

昨日、彼女はクラスで泣きじゃくりながら数学教師について行っていた少女がいなくなったことに気づいた。あちこちで尋ねて回ると、数学教師が彼女を医務室...

ログインして続きを読む