第161章

数時間前だったか。

唐沢優子は一口、また一口と囓り始めた。どういうわけか、味は悪くないように感じる。

青年は満足げな笑みを浮かべた。

飼い主はもう好き嫌いをしなくなったようだ。

彼女は思わず尋ねた。「どこから出したの?」

アセイランは屈託のない顔で、「ここからですよ」

その瞬きは、こんなの楽勝じゃないか、とでも言いたげだった。

唐沢優子は合点がいった。おそらく現実世界から持ってきたのだろう。

そんなことまでできるのか。

しかし、噛み締めるうちに、彼女はまた苦々しい表情になった。

動きがどんどん鈍くなる。

アルセルが寄り添ってきた。「もし嫌いなら、必要な人に譲ったらどうで...

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