第17章

一通りの健康診断を受けたが、唐沢優子の身体に異常は見られなかった。

自宅で一日休み、ようやく翌日の午後に職場へ復帰した。

遠くから、研究室の扉の前で重火器を手に持ち、落ち着かない様子の警備員たちが数人いるのが見えた。

彼らは何か言いたげだった。

しかし、結局何も言わず、無表情のまま唐沢優子のために道を開けた。

唐沢優子は訝しげに羅針盤を回し、分厚い防爆金属扉を開けて中へ入った。

オフィスには、巨大な水槽が一つ増えていた。

ガラスの水槽の中で、美しい青年が彫刻のように水底に沈んでいる。

唐沢優子が入ってきたのに気づくと、彼の目がぱっと輝き、手を上げて水槽の蓋を開け、水面へと浮上...

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