第177章

一体どうしてこうなったのか、唐沢優子には分からなかった。

彼女は人魚の血をどうしようもなく渇望していた。まるで体中の細胞一つ一つが、彼の血を求めて近づきたいと狂おしく叫んでいるかのようだ。ただその匂いを嗅ぐだけで、身も心もとろけてしまう。

頭が再びぼんやりとしてきた。さっき目覚めた時には、毒キノコによる眩暈はもう消えていたはずなのに。

彼女は無意識のうちに人魚の肩に手をかけ、焦るあまり彼の肌に噛みついた。

人魚がくぐもった声を漏らす。白く輝く耳鰭の下縁が薄紅色に染まった。唐沢優子が習いもせぬうちに彼の首筋に噛みついていると、とうに一対の腕が彼女を懐にきつく閉じ込めていた。

首筋に伝...

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