第181章

薄暗い森の前に、一枚の大きな警告看板が立っていた。

『異状変化観察区画——C級』

金網の近くにある維管束植物が大きな口を開け、一匹の兎を飲み込んでいる。葉の間からは、絶えずねっとりとした粘液が滴り落ちていた。

粘液が苔の上に落ちると、その小さな苔は肉眼でもわかるほどの速さで膨張し始めた。

「……何だよ、これ」アセルは思わず悪態をついた。

唐沢優子はガラス窓に目をやり、かつて夢の中で、どうしても顔を思い出せない誰かと交わした会話を思い出していた。

——『それらは、他のものも食べられるのですか?』

——『炭素を基本骨格とする有機物で構成された生物なら、すべて』

あの時の彼女は海辺...

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