第193章

研究所の外。

背の高い男が、銀白色の、人の背の半分ほどもある金属製の護送カートを押しながら、認証カードで研究所のドアを開けた。

歩き方はどこかぎこちなく、まるで歩き方を覚えたてで体の動きが不自然な子供のようだった。

「電気ショック実験を行われますか?」

ゲートのプロジェクト秘書が立ち上がり、優しく丁寧な、手本のような笑顔を浮かべた。

男が振り向き、その顔を晒すと、秘書は一瞬呆然とした。

ノアの著名な教授であり、特級実験体の責任者だったのだ。

プロジェクト秘書は慌てて謝罪した。「申し訳ありません、教授とは気づきませんでした」

背の高い男は首をかしげたが、何も言わなかった。

秘...

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