第295章

殺戮の日。

誰が決めたのかは分からない。

神の城の住人はこの日を殺戮の日とは呼ばず、自由の日と呼ぶ。

唐沢優子は、これほど馬鹿げた規則があるとは思いもしなかった。

非連合体管轄区と呼ばれる場所は、それ自体が荒唐無稽で無秩序な世界だ。法律による縛りはなく、己の道徳観念のみに頼る世界では、一線を守り抜くことは難しい。

だが、罪悪には発散が必要だ。もし一日という時間が与えられなければ、罪悪はランダムに発生する。時間を与えることで、その範囲内に固定されるのだ。

多くの人々が家に閉じこもり、ある者は街を必死に逃げ惑い、そして更に多くの者がこの狂宴に加わる。

狂気と混沌。それは原始の獣の捕...

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