第299章

いつの間にか、海辺は淡い霧に包まれていた。

空気はひどく湿っている。その中を歩く唐沢優子は、遠くない場所にある聖なる教会から、強烈な悪意が発せられているのを感じ取っていた。

清潔な白い建物群の上には、濃い墨緑色の煙が集まり、空を奇妙な青緑色に染め上げている。

教会の中では、一群の人々が祈りを捧げていた。

先頭に立つ人物は純白の長袍を身にまとい、髪は一筋の乱れもなく整えられている。

牧師のようで、格別に神聖に見える。

ただ、彼らが崇拝している彫像は奇怪で禍々しく、あまりにも巨大だった。階段の下にいる信者たちは厳かな表情で固く目を閉じ、胸の前で両手を合わせ、低い声で何かを斉唱している...

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