第324章

バーを出た後、唐沢優子はアルセルの様子がおかしいことに気づいた。

彼女は顔の半分をずっと押さえて苦しそうな表情をしており、問い詰めるとようやくぽつりぽつりと答えた。「さっきの甘いお酒、飲まなきゃよかった。歯が痛いの」

「虫歯、まだ治してなかったの?」

アルセルは唐沢優子の袖を掴み、小さく息を吸いながら言った。「痛み止め、持ってない? 喋るのも痛い」

唐沢優子は眉をひそめた。「なら、まず薬を探して、それから牧師を……私はラクシャ市に戻らないといけないし」

「ラ……何ですって?」

「ラクシャ市」

アルセルは一瞬呆気にとられ、訝しげに尋ねる。「世界にラクシャ市なんてないでしょう? な...

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