第338章

「ええ、知っています。牧師が言っていたわ。ここからは出られない、霧の中に迷い込むって」

唐沢優子は言った。「だから彼を捕まえて、黙らせれば、ここから出る方法が見つかるかもしれない」

これまで誰もそんなことを口にした者はいなかった。神への狂信に満ちたこの街で、その言葉は大逆罪と見なされてもおかしくない。

澪清司は彼女の大胆な発言に一瞬、息を呑んだ。

「牧師を捕まえるなんて、誰にもできない」

「あなたならできる」彼女は唇の端を吊り上げ、静かに問いかけた。「ここから出たい?」

澪清司の心臓が激しく跳ねた。

出る?

なんと新鮮な響きの言葉だろう。この街に来てからというもの、彼はただ生...

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