第342章

唐沢優子とアルセルは気配を消し、そっと一番奥へと後退すると、壁に沿って階段の方へと向かった。

ある意味では、この恐ろしく巨大な生物は、まさしく神と呼べるのかもしれない。

無秩序、混乱、そして強大。

人に本能を超えた力を与え、狂わせ、心の中に憎悪と邪悪を湧き上がらせ、互いを傷つけ合わせる。

それらが絡み合い、罪悪の海を形成していた。

二階の階段口を守っていた警備員は、突如として起こった騒乱のせいで姿を消していた。

ホール全体がめちゃくちゃになり、押し合いへし合いの喧騒がそこかしこで起こり、それに伴って耳障りな罵声が響き渡る。

階段の入り口にたどり着いた途端、誰かが突き飛ばされ、ド...

ログインして続きを読む