第343章

えも言われぬ強烈な不安が胸に込み上げてきた瞬間、唐沢優子が顔を上げると、巨大で湿った血管がその体に絡みついてきた。

アルセルが小さく悲鳴を上げたが、唐沢優子は素早くその口を手で固く塞いだ。

「しーっ」

重厚な金属製の冷凍庫が、赤い血管によっていとも容易く動かされる。

光が差し込み、隅に隠れていた人間を照らし出した。

唐沢優子はそのまま体ごと掴まれ、宙吊りにされた。

深紅の触手が彼女に触れた。だが、一口で喰らうでもなく、血を吸うでもなく、ただ粘つく血管でその身に貼り付いてくる。

赤く湿った肉塊が、彼女の肩の半分近くを覆い尽くさんばかりだ。

柔らかそうに見える肉の内側には、骨身に...

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