第349章

「もしもし、どなたかいますか?」

唐沢優子は少し緊張しながら、マイクにもう少し近づいた。

受話器からは依然としてノイズが走り、微かに人の声が聞こえるものの、はっきりとは聞き取れない。

アルセルがタイミングよく信号増幅装置のスイッチを入れた。

音声はようやく鮮明になった。

少し雑然としていて、キーボードを叩く音や、ピピッと鳴る機械音が微かに聞こえる。どこかの研究室か、あるいは会議室のようだ。

唐沢優子は再び問いかけた。「もしもし、どなたかいらっしゃいますか?」

前の席に座るアルセルは、通信機の音声に注意を払い続けていたが、ふと振り返った拍子に、フロントガラスの外の光景が目に入った...

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