第352章

そんな唐沢優子に、アルセルは漠然とした不安を覚えた。彼女を止めはしなかったが、いよいよ焦りを募らせるその横顔を見ていると、胸の内の不安はますます大きくなっていく。

急ブレーキの後、ボロボロの装甲車は砂地の上で急カーブを描き、停止した。

唐沢優子は一切躊躇わず、ドアを捻って開け、砕石が散らばる砂浜へと足を踏み出した。

ずっと見えなかった目が、次第にぼんやりとした視力を取り戻していく。強度の近視のように、意識が朦朧としていた。

彼女は不鮮明な海を見た。すぐそこだ。黒ずむほど深い色合いで、うねっている。

海はあの時の海のままだが、砂浜の周りの環境は以前とはまるで違っていた。

あの銀白色...

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