第359章

その小さな生き物は、さらにきゅっと身を縮こませた。

見るからに哀れな様子だ。

青緑色のスカートの裾のような部分がゆっくりと蠢き、まるで私が突いたのが痛かったかのように、岩礁の陰へとゆっくりと移動していく。

その動きは可愛らしいとは言えず、むしろ邪悪にさえ近い冷たさを感じさせる。この感覚は、おそらくその質感からくるのだろう。唐沢優子は、その体温を想像することができた。きっと氷のように冷たく、ぬるぬると滑らかなはずだ。

そこまで考えた唐沢優子は、思わず身震いした。このところ赤い触手生物に脅迫され続けた恐怖が蘇る。

唐沢優子は手を引っ込め、木の棒の先端を観察した。肉眼で見る限り何の問題も...

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