第365章

孤島に人影はなく、陽はすでに昇り、遠くの椰子の林を照らしている。

遠くから、微かに汽笛が聞こえてくる。

座礁の衝撃音はあまりに激しく、一瞬、パニックに陥った助けを求める声が潮風に乗って耳に届いた。

唐沢優子は体についた落ち葉を払い落とし、身を起こす。

誰かが助けを求めている。

この世界に、まだ他の人間がいたというのか?

彼女はすぐには立ち上がらず、しばらく様子を窺った。

傍らの葉がカサカサと音を立てる。何かが自分を見つめている。

冷たく湿った何かが、そっと彼女の手の中の酒瓶に触れ、少しずつ巻き付いてくる。

唐沢優子ははっとしたが、身動きしなかった。

顔を伏せたまま、何も気...

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