第370章

夕暮れ時、ヘリコプターはついにZの基地へと到着した。

唐沢優子は眠りから目を覚まし、自分の髪がひどく乱れていることに気づいた。

彼女は戸惑った。どうしてこんな寝癖がついてしまったのだろう?

隣に座っていた青年は指をきゅっと丸め、窓の外へと視線を向けた。その蒼白い顔に、一瞬の狼狽がよぎる。

向かいの指揮官は、指でスクリーンをスワイプしながら、もう片方の手でコーヒーをちびちびと味わっている。その表情は落ち着いているものの、顔色はひどく悪く、体調が優れないように見えた。

ヘリコプターは臨海区域の一角に着陸した。

飛行場の外には大勢の出迎えがいた。潮の香りが混じった苦い風が吹きつけ、身体...

ログインして続きを読む