第393章

唐沢優子はすんなりとは立ち去れなかった。

医療センターの二階には独立した休憩エリアがあり、山田介凉がそこで、随分と長い間待っていたかのように佇んでいた。

彼女の姿を認めると、まずは儀礼的に体調を尋ねてから、悪い知らせと言えるかどうか分からないような報せを告げた。

メドゥーサ実験体が姿を消した、と。

「消えた?」

「はい」山田は少し言葉を選んでから言った。「メドゥーサ実験体は非常に危険です。脱走となれば、基地に大きな厄介事をもたらします……」

唐沢優子は、昨日意識を失う前、メドゥーサがまだガラスの部屋に横たわり、穏やかで静かに見えたことを覚えていた。

なぜ、瞬く間にいなくなってし...

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