第402章

記憶の中にあるここ最近の出来事に、それほど大きな違いはなかった。

二つの記憶のどちらにおいても、唐沢優子は『Zero』を訪れ、飼育契約を結び、飼育員となって、多種多様な危険生物たちの鎮撫を任されていた。

それらの生物は彼女を見ると大人しくなった。唐沢優子が何か特別な操作をする必要すらない。彼女が纏う気配だけで、異形の生物たちを畏怖させるには十分だったのだ。

だが、『Zero』に入る前の記憶となると、話は別だ。

脳裏にある記憶は、二つに分裂していた。

一つは波乱に満ちた記憶。唐沢優子はバベルタワーで偶然アメフラシの境遇を目撃し、激怒してアセイランを連れて地下実験室の扉を開け放った。そ...

ログインして続きを読む