第405章

深夜、常泉絃は手袋を外した。

分厚いゴムの感触が指先から離れていく。彼は脇に放り投げてあった眼鏡をかけ、冷たい金属質の実験室を見渡した。

そこには円筒形の育成キャビンが並び、栄養液で満たされたカプセル状のガラス越しに、全く同じ顔がいくつも浮かんでいる。

彼は暗号化された実験記録に、32体目のクローンが衰弱死した経緯を淡々と記述し、同時に33体目を起動させた。機械アームが彼女を実験室へと投入する。

「お前たちは、どこから来た?」

白く長い指が、リズムを刻むように机を叩く。誰も彼に答えることはできない。

真空断熱ガラスの向こう、無菌室の金属ベッドに人影が横たわっている。機械アームが高...

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