第407章

目を開ける。そこはバベルタワーだ。

唐沢優子はすぐにその感覚に順応した。

目の前に広がるエリアは、自分が普段身を置くA区画ではない。

秘書課の若い女の子たちが数人、興味津々な様子でオフィスを覗き込んでいる。

その中の一人は、生物遺伝子工学の立山鈴恵だ。

「桜井主任があんなに怒ってるの、初めて見た」

「平元教授と言い争うなんて……もし降格されたらどうしよう?」

「さっき何か破り捨ててたわよ。サインするのを拒否したみたい」

なぜ、ここに?

唐沢優子は少し躊躇した。

いつものようにアメフラシの様子を見に行こうとして踵を返しかけたその時、廊下の向こうを足早に通り過ぎる数人の人影が...

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