第417章

唐沢優子の知らぬ間に、人類の世界は静かに変貌を遂げていた。

唐沢優子はただ夢の中で、再びかつてのバベルタワーへと舞い戻っていた。

ガラス窓の外は激しい雨が降り注ぎ、バベルタワーの内部は荒れ果てていた。

唐沢優子は自分がS区へ入れることに気づき、その瞳でいともたやすくS区のゲートを開け放った。

かつての彼女はこの場所をひどく恐れていた。幾重にも重なる金属の壁の向こうに囚われているのは、バベルタワーで最も恐ろしいS級実験体たちであり、そのどれもが人類世界に放たれれば災厄を引き起こすほどの存在だったからだ。

だが、この瞬間の彼女の心は、不思議なほど凪いでいた。

この時の唐沢優子は、まだ...

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