第420章

思考の中に、見覚えのある清廉で美しい顔が飛び込んできた。

「優子、やっぱりあの島に帰った方がいいんじゃない?」

 アルセルは彼女を見つめ、長い沈黙のあとに溜息をついた。

「まだ人類救済なんて大層な夢を見ているの? 種の交代は必然よ。それに、人間なんて……あなたが助ける価値もない」

 人類を救う?

 なんだその中二病じみた台詞は。

 唐沢優子の心臓が激しく鼓動した。胸元を強く押さえる。まるで何かが脳裏に潜り込もうとしているかのような感覚だ。

 アルセルは小首をかしげて彼女を覗き込んだ。

「それに、もうすぐ『彼ら』が来るわ。もしここを破壊でもされたら、あなたは本当に全人類の生存者...

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