第422章

自分を凡人だと認めるのは、どうやら難しいことらしい。

この世界には二百億もの人間がいて、彼女はその二百億分の一に過ぎない。

唐沢優子は地面に座り込み、空を見上げていた。

たとえ二百億分の一だとしても、何かをしたい。

この静寂と冷気に満ちた闇夜の中で、瞬いてみたいのだ。

人類の世界は一週間前、極夜を迎えた。

極夜とは何か?

光が失われ、植物は光合成ができなくなり、世界全体が緩やかに、しかし確実に酸素を失っていくことだ。

闇に包まれた当初、人々は何も気づかなかった。

だが、闇と共に訪れたのは寒冷であり、地球の凍結だった。

地表温度は急速に低下し、水道管は涸れ、生存者基地に残さ...

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