第424章

空は常に暗く、時間の概念など意味をなさなくなっていたのかもしれない。

半覚醒の微睡みの中、唐沢優子は何者かに抱き上げられた。

目を開けると、視界に入ってきたのはしなやかな首筋だけ。

誰かが彼女の髪を優しく撫で、温かな声で囁く。

「もう少し、眠るといい」

その声には魔力があるようだった。

耳にした瞬間、新たな睡魔が重くのしかかってくる。

彼女は瞳を閉じた。

朦朧とした意識の中で、誰かが唇に口づけを落とすのを感じる。ゼリーのように濡れて柔らかな感触が唇の隙間を滑り、優しく彼女を探索してくる。

彼女は不満げな声を漏らした。

すると口づけは従順に唇から下へと移動し、顎へ、そして首...

ログインして続きを読む