第48章

その言葉は、まるで道理を説いているかのようだった。

景山凛川は困ったような表情を作り、「それに、あいつはもう君に会いたくないそうだ。この間君が作った栄養剤も、叩きつけて壊してしまった。『大嫌いだ』と言ってね」

「嫌い?」唐沢優子は信じられなかった。

アメフラシは彼女が手ずから育てた子だ。誰よりも彼のことを理解している自負があった。

三年前、アメフラシの幼体が彼女の元へ送られてきた。エンジニアたちはあまり期待していないようで、痩せっぽちで、先天的な発育不全があり、このロットの胚胎の中では最低ランクだと告げた。

エンジニアは彼女に、育てられなくても誰も責めない、そのまま焼却処分してくれ...

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