第89章

だがその後、彼らはさらに恐ろしい光景を目の当たりにした。

田中大介はスーパーの隣にあるオフィスエリアに回り込み、ドアを引いて開けた。

鼻を突く、形容しがたい匂い。血生臭さと腐臭、そして長い間、薄暗く湿った場所にこもっていたカビの臭いが混じり合っている。

さほど広くもない部屋の中に、無数の影があった。横たわっている者、ソファに座っている者、床に倒れている者。皆、皮と骨ばかりに痩せこけ、血を抜き取られたかのように、眼窩は深く窪み、まるでミイラのようだ。

彼らは全員警備員の制服を着ており、腰にはスタンガンが提げられていた。しかも、それが抜かれた形跡すらない。どうやら、惨劇が起こる...

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