第4章

 それから数日間、神谷陽輝は帰ってこなかった。

 私もその方が気楽で、この一戸建ての豪邸で少しずつ荷物を整理し始めた。

 荷造りではない。処分だ。

 彼との写真、役所に提出した婚姻届の受理証明書、彼が昔適当にくれた安っぽいプレゼント……すべてシュレッダーにかけるか、切り刻んで下水道に流した。

 この神谷家から、私が存在した痕跡をすべて消し去るために。

 三日目の夜、神谷陽輝が帰ってきた。酒の臭いを漂わせ、泣きじゃくる林美香を連れて。

「川島雪奈! 降りてこい!」

 階下で彼の怒鳴り声が響き、クリスタルのシャンデリアが揺れた。

 私は編みかけのセーターにハサミを入れる手を止めた...

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