第9章

 神谷陽輝は世界中を探し回り始めた。

 神谷グループのあらゆるコネクションを使い、財閥の特権を行使して交通網を封鎖し、懸賞金は十億円にまで跳ね上がった。

 その頃、私は鎌倉の海辺にある古びた民宿に座り、日向ぼっこをしていた。

 視力はますます低下していた。膠芽腫が視神経を圧迫し、目の前の景色は常に二重にぼやけ、辛うじて空中に浮かぶ文字だけが判別できる状態だった。頭痛の頻度も増し、特製の鎮痛剤でも抑えきれなくなっていた。

 けれど、私は幸せだった。

 ここの風は優しく、海は青い。

 そして私にしか見えない弾幕システムが、カウントダウンを告げている。

【おめでとうございます。完全に...

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