第127章 さっきの言葉、二度は聞きたくない

黒崎統夜は目線ひとつ動かさず、まっすぐにソファへと歩み寄り、腰を下ろした。

彼が座ったのを見計らい、氷室ジンは八海雅史に目配せして着席を促した。

「黒崎様」

八海雅史は席に着くなり、肩を落としてそう呼んだ。

彼は目の前のグラスを煽り、充血した目で黒崎統夜を見る。

「手を貸していただけるとは、光栄の至りです」

「ご安心ください。王位継承権さえ手に入れば、ご所望の品は必ずや両手で献上いたします」

黒崎統夜は目を細め、何も答えなかった。

その沈黙の意味を悟り、八海雅史は即座に続けた。

「ご依頼の件も、間もなく目処が立ちそうです」

言葉の端々で、彼の視線が無意識に氷室ジンの方へと...

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