第140章 歓迎の儀式

道中、速水ミオは何度も振り返り、後部座席の様子を窺わずにはいられなかった。

車内はひっそりと静まり返っている。パーティションの防音性能が優れているのか、それとも二人が全く会話を交わしていないのかは分からない。

「速水さん」

烏丸達也は、ミオのその恐る恐る振り返る仕草を横目で捉え、口元に薄い笑みを浮かべた。

「あの芳坂りりって子、どう思います?」

ミオはハッと我に返り、視線を伏せて首を振った。

「私、彼女とは面識がありませんから」

烏丸達也は少し残念そうに肩をすくめた。

「私は長年ボスに仕えてきましたが、あの方が誰かにこれほど熱を上げるのを見たのは初めてですよ」

「以前は誰で...

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