第148章 死地を脱する

速水ミオは携帯電話を手で覆いながら振り返った。案の定、そう遠くない場所に氷室ジンの姿があった。彼は数人の警察官を引き連れ、こちらへ向かっている。

その距離は、刻一刻と縮まっていた。

迷っている暇はない。速水ミオは壁に手をつき、電話越しの指示に従って、足を引きずりながら前へと進んだ。

集合住宅からは、次々と人が出てくる。

巨額の懸賞金の話は、瞬く間に人々の間に広がっていった。

人探しのために武装した若者たちの集団と、すれ違うことさえあった。

彼らの話し声が耳に入る。

「一体何者なんだ? そんなに値が付くなんてよ」

「誰だっていいだろ。金さえ手に入ればな」

「でも、監禁とか危害...

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