第157章 私こそがあなたの実の父親

黒崎統夜は速水ミオを軽々と横抱きにした。片手は腰に回し、もう片方の手は細心の注意を払って彼女の後頭部を支えている。

腕の中の彼女は頬を上気させ、赤い唇をわずかに開いては閉じ、呂律の回らない声でむにゃむにゃと呟いた。

「嫌い……嫌い」

目尻から溢れた涙が頬を伝い落ちる。

夢うつつの中、彼女は鼻をすすると、黒崎統夜の方へ寝返りを打ち、華奢な腕を彼の首に絡ませた。まるで甘える子猫のように、彼の懐へと潜り込んでいく。

彼女は耳元に顔を寄せ、問いかけるようでもあり、独り言のようでもある声で囁いた。

「黒崎統夜は、私が嫌い」

吐息が黒崎統夜の耳朶にかかる。温かく、くすぐったい感触。

彼の...

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