第164章 その通り、君が好きだ

ガチャン——。

黒崎統夜はテーブルの上のグラスを掴むや否や、力任せに投げつけた。

グラスは壁に激突して砕け散り、破片が飛び散る。床には水溜まりが広がり、歪な模様を描いて四方へと流れていった。

彼は腰に手を当て、水浸しの床に立ち尽くしたまま、荒い息を吐いている。

廊下から、慌ただしい足音が近づいてきた。

「黒崎社長、大丈夫ですか?」烏丸達也がおずおずと声をかける。

「失せろ!」

黒崎統夜の怒号に、速水ミオの肩がビクリと跳ね、眉間に皺が寄った。

こんなに取り乱した彼の姿を見るのは初めてだった。

廊下はすぐに静寂を取り戻した。

黒崎統夜は長く重い溜息をつくと、ミオを振り返った。...

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