第178章 押しかける

速水ミオはもともとデザインの才能に恵まれていた上に、様々な理由から、今回のコンペには何としても勝ちたいという執念があった。

この二日間、デザイン画は次々と、驚くべき速さで仕上げられていった。

明日には彼女とアンナのデザイン画が会社に届けられ、マーケティング部の投票にかけられることになっている。

夜、速水ミオは最後の一枚を描き終えるとペンを置き、両手を組んで首の後ろに当て、長く息を吐き出した。

丸二日間のデスクワークで、頸椎も目も悲鳴を上げている。

彼女は立ち上がってカーテンを開け、新鮮な空気を吸おうとバルコニーへ出た。

階下から、黒崎ユナの楽しげな歓声が聞こえてきた。

「パパ、...

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