第188章 二つの害より軽きを取る

他人を監禁し、無理やり絵を描かせる。

この告発が事実であれば、単なる盗作騒ぎでは済まされない。

刑事事件に発展し、下手をすれば実刑判決もあり得る重大な犯罪だ。

周囲の人間は、その言葉を聞いて無意識のうちにアンナから距離を取り始めた。

中には速水ミオの背後に立ち、アンナに対する敵意を露わにする者さえいた。

「アンナ」

速水ミオは周囲の反応など意に介さず、ただ一つの問いを投げかけた。

「私の先輩は、今どこにいるの?」

氷室ジンは眉をひそめ、アンナの姿が露わになるよう体をずらした。

「彼女の言っていることは本当か?」

彼は低い声で問いただした。

氷室ジンは、アンナと黒崎利浩の...

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