第203章 御霊舎で大暴れ

コンコン、と。

速水ミオが口を開くよりも早く、乾いたノックの音が響いた。

「黒崎社長、奥様がいらっしゃいました」

ドア越しの村上の声は、微かに震えていた。

黒崎統夜の瞳から熱っぽい情欲の色が瞬時に消え失せ、底知れぬ冷徹な光が宿る。ミオの腰に回された腕に、僅かに力がこもった。

密着している分、彼の変化はミオの手にとるように分かった。

彼女は桜色の唇を引き結び、静かに告げる。

「まずは会ってみましょう。急用かもしれないわ」

黒崎統夜は一つ息を吐くと、眉間の皺を深くした。数秒の重苦しい沈黙の後、彼はミオから身体を離し、書斎のドアを開けた。

村上は緊張で顔を強張らせ、指先が赤くなる...

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