第21章 天才児

教室は、死んだように静まり返っていた。

その静寂のせいで、速水カノンの言葉はまるで拡声器を使ったかのように響き渡った。

一斉に振り返った視線が、カノンに突き刺さる。

最後列から、小太りの少年が勢いよく立ち上がった。ドシドシと足音を立てて横歩きし、カノンの前まで迫ってくる。

白くふっくらとした頬を怒りで膨らませ、拳を握りしめてカノンを睨みつけた。

「お前、どこの家の人間だ? 見たことない顔だな」

私立星雅学園に通うのは、S市の名門諸家の子供ばかりだ。

クラスメイトでなくとも、社交界のパーティーや宴席で顔を合わせる機会は多い。

少年はカノンを値踏みするように上から下まで見回した。...

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