第212章 夜半の男色

時計の針が十時を回った頃、外では暴風が吹き荒れ始めた。

それから三十分も経たないうちに、バケツをひっくり返したような豪雨が大地を打ちつけ始める。

速水カノンは速水ミオの言いつけ通り、早々に黒崎ユナに付き添ってベッドに入っていた。

村上の話によれば、黒崎夫人と黒崎進も夕食後すぐに自室へ下がり、それきり姿を見せていないという。

広大な邸宅の中で、明かりが灯っているのは今や速水ミオの部屋だけだ。

轟く雷鳴と稲光が、その孤独をいっそう際立たせている。

さっき確認しに行ったが、書斎は暗いままだった。黒崎統夜はまだ帰っていない。

昼間、会社に押し寄せていたあの媚びた女たちに足止めされている...

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