第219章 黒崎統夜、この野郎

バンッ——

ドアが勢いよく開け放たれ、壁に激突する音が、部屋の中の和やかな空気を引き裂いた。

速水ミオは咄嗟に二人の子供を背にかばい、振り返った。

壁に寄りかかり、肩で息をしているのは村上だった。

「……速水さん、た、大変です……!」

彼女が口ごもりながら言いかけたその時、階下からドスンという凄まじい物音が響いてきた。

続いて、黒崎進の裂けるような悲鳴と、黒崎奥様の錯乱した叫び声が鼓膜を打つ。

「何をするの!? 進を放して!」

速水ミオは事態を察し、二人の子供に「絶対にここから出ちゃ駄目よ」と言い含めると、三段飛ばしの勢いで階段を駆け下り、リビングへと飛び込んだ。

リビング...

ログインして続きを読む