第22章 ミューズこそ嫁にしたい女

「ダグ先生」

園長が素っ頓狂な声を上げた。

「何を言っているんですか?」

男は答える暇も惜しいとばかりに、大股で教壇へ駆け上がった。

「君、プログラミングを習ったことは? このコード、以前どこかで見たかい?」

彼は狂喜乱舞といった様子で、速水カノンの小さな肩を掴んで揺さぶり続けた。目の前にいるのがわずか五歳の少女だということを忘れているようだ。

(こいつがダグか……)

速水カノンは激しく揺さぶられ、もう少しで吐きそうになった。眉をひそめ、コンコンと咳き込む。

ダグは自身の失態に気づき、慌てて手を引っ込めた。きまり悪そうに乾いた笑いを漏らすと、園長に向き直った。

「園長、この...

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