第221章 先輩の正体

舌先から血の味が広がり、喉の奥へと鉄錆のような臭いが込み上げてくる。

速水ミオは眉をひそめ、瞳の奥に苦痛の色を滲ませた。

黒崎統夜は片手を彼女の頬の横につき、わずかに顔を上げているが、鼻先はまだ触れ合うほどの距離にある。

彼の荒い吐息がミオの肌にかかり、湿り気を帯びた熱が伝わってくる。

「ミオ、よせ」

黒崎統夜は二本の指でミオの顎を挟み、指の腹でその肌を優しく愛撫した。

「さっきの言葉、取り消せ。いい子だ」

ミオは舌で頬の内側を押し、口の中に残る鉄の味に顔をしかめる。

彼女は顔を背け、彼を見ようとしなかった。

だが統夜は強引に顎を掴んでこちらを向かせ、視線を絡めた。

「取...

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