第225章 なぜ私に教えるのか

黒崎進は手を横に振った。

「いや……」

「違う」と言いたかった。

しかし、母が長年積み重ねてきた所行を思い返すと、その言葉は喉に詰まった小骨のように引っかかり、どうしても出てこなかった。

黒崎統夜は長く息を吐き出し、ソファの背に置いた指先をトントンと軽く動かした。

「進、考えたことはないか? もし俺たちが、同じ母親の腹から十月十日で生まれた兄弟だとしたら、なぜこれほどまでに扱いが違うのかと」

「兄さん、確かに母さんのやり方は良くなかったかもしれない。でも、だからって自分の出自を疑う理由にはならないよ。兄さんは父さんと母さんの実の息子だ。それだけは間違いない」

黒崎進は必死に弁解...

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