第234章 終章

着信画面のアイコンを見て、速水ミオは反射的に身を引こうとした。

だが、黒崎統夜は彼女の目の前で、堂々と通話ボタンを押した。

「指輪はもう入り口に着いてるわよ。あんた今どこ?」

電話の向こうの相手の声は大きく、耳を寄せずともはっきりと聞こえてくる。

速水ミオは振り返り、声のする方へと視線を走らせた。

そこには、一台の黒いセダンの傍らに寄りかかり、紙袋を提げた女性の姿があった。彼女は黒崎統夜に気づくと、つま先立ちをして手を振った。

黒崎統夜は電話を切ると、速水ミオの手を引いてその女性の方へと歩き出した。

「何をするの?」速水ミオは困惑した。

まさか、彼の愛人に会わせようというのだ...

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