第27章 大オーナー

ちょっとしたトラブルはあったものの、速水ミオの入社手続きそのものには何の影響もなかった。

人事がデスクの手配を済ませると、彼女は氷室ジンが待つ社長室へと向かうよう指示された。

ミオが部屋に入ると、受付に修復へ出させたはずのポートフォリオが、氷室ジンのデスクの上に置かれているのが目に入った。

彼は頬杖をつき、ゆっくりとページをめくっている。

一枚めくるたびに、彼の眉間の皺は深くなっていった。

「氷室社長」

ミオは挨拶をし、彼の向かいにある椅子に腰を下ろした。

「私のポートフォリオに、何か問題でも?」

氷室ジンは首を横に振った。

「問題はない。ただ、こんな状態になってしまったの...

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